天国と地獄の日雇い派遣バイト①
どうも酒好きヒロです。
今の仕事をはじめて、早3年。
いわゆるオフィスワークだ。
週5日、朝8時半から17時まで。
至って普通だ。
いや、あまり残業がないので世間でいうホワイト企業なのかもしれない。
21歳の頃の自分からしたら、今の自分を見て、なんて生温く穏やかな仕事をしてるんだろうと感じるだろう。
そんな21歳の頃やっていた「日雇い派遣バイト」の話をしたい。
1.バックレ
大学に入ると、皆と合わせ私もバイトを始めた。最初のバイト先は飲食店の厨房だった。入ってすぐに皿洗い、簡単な料理を作る。
価格帯は高めなのに、入ったばかりのバイトに作らせる店。
嫌気がさし辞めた。入って1か月。
そこから私は色々なバイトをした。
駅ナカコンビニ、スーパー銭湯の厨房、深夜のコンビニ、etc..。全部長くは続かなかった。
遊びたくなったら遊びたい、けどシフトが入ってる。なら辞めちゃえと。
そこから私はあるチラシを見た。
日雇い派遣バイトだ。
好きな時にバイトに入れて、一日しか勤務しない職場。時給はむしろいい。
そこから私は日雇い派遣バイトを2年続けた。
あの工場のバイトに行くまでは。
2.開始5分で怒鳴られた「引っ越し」
チラシの派遣会社に電話をし、履歴書を持って行った。なかなか怪しいビルの中に入り、派遣会社のドアを開いた。
受付で名前を言うと、出てきたメガネのスーツの男性に履歴書を渡した。
対して内容も見られず、
「明日引っ越しの派遣あるけど行けますか?」
早い!
集合場所、勤務時間の書かれた紙を渡され、退出。
引っ越しなので私はすぐ帰宅し、明日に体力を備えた。
当日。電車で一時間近く乗り、駅から現場のマンションまで徒歩で行く。ワクワクと不安が入り混じったが、どうせ今日だけの関係だと考えれば不安は消えた。
待っていると、ピンク色のトラックが来た。ピンク色のユニフォームを着たおじさんが出てきた。一人で。
「〇〇社さんの人?今日よろしくね」
意外と優しそうだな。と思い、早速引っ越し作業を始めた。たった二人で。
依頼主の部屋から細かいダンボール類を台車に荷物を乗せ、エレベーターを使いトラックに運ぶ。
最初は楽勝だと思った。
すぐに事件は起きた。
私が台車をエレベーターの前に忘れたのだ。
「おーい!テメー何やってんだよ!」
まさかの出来事だった。
開始5分。こんな初対面の人に怒鳴られたのは人生ではじめだった。
スイッチの入ったおじさんの怒号は止まらない。
「そんなこともわかんねーのかよ!」「だからダメなんだよ!」
もはや異常であった。
荷物をトラックに入れ引っ越し先へ運ぶため一緒にトラックに乗った。
最悪だ。さっきまで怒鳴りちらしてたおじさんと二人きり。
しかし、おじさんは一言も喋らなかった。さっきまでが嘘のように。
情緒不安定なのか?、、。
一時間もしたら引っ越し先に着いた。
運ぶ、怒鳴る、運ぶ、怒鳴る。
一生分怒鳴られたんじゃないだろうか。
17時になり丁度作業が終わった。引っ越し先は階段で何度も登り降りしたせいでフラフラだった。早く帰りたい。
「今日はお疲れ!助かったよ!」
急に労いの言葉を貰った。飴とムチ的な要素が垣間見えたが、ムチが強かったせいか、
こいつなんだよ、、。
私は軽蔑した。
「じゃあ、この後まだ2件あるから行くな!じゃあな」
あれだけ一日中作業したのに、さらに2件仕事!?
私はなんとも言えない気持ちになった。
見た目的には60近い人だった。
世の中にはこんなハードな仕事があるのかと。そして、こんなハードな仕事をしているせいで口が悪いのかもしれないと。
ものすごく疲れた。
社会を学んだ日だった。