天国と地獄の派遣バイトで会ったおじさん達へ
どうも酒好きヒロです。
前回までUPしたのがこちら。
①開始5分で怒鳴られた「引っ越し」の地獄編
②車に乗ってるだけの天国編
覚えてないくらい色んなところへ行きました。
派遣バイトの良いところでもあるんですが、最初の挨拶がなかなか緊張します。
ただ、たまに今の仕事で飛び込み営業をするのですが、この派遣バイトでの経験から「初対面の人」に、なんら抵抗がなくなりました。
そして、たまたま一緒に派遣になったおじさん達からは色んな事を教わりました。
例えば、
▷ギャンブルで自己破産したのに、帰りにパチンコに行くおじさん。
▷真夏にホットコーヒーを飲む1、2本しか歯がないおじさん。
▷50まで就職した事がないが、地主で資産家の親を持つおじさん。
▷派遣先の若者にメタクソに怒られて泣いちゃうおじさん。
▷リストラになり離婚したが、一人が幸せだと語るおじさん。
▷「買う金がない」と、左目だけレンズのメガネをかけたおじさん。
20代前半の私には刺激的な人達ばかりでした。
正直私は、そんなおじさん達が好きでした。
ただ、もしかしたら私はどこかで見下してたのかもしれません。
自分はまだ大学生で、未来がある。
このおじさん達には未来がない。だから自分の方がこの世では重要だと。
そんな事はない。
彼らは、たまたまこんな人生を歩んでしまっただけなのだ。
彼らだって家族や親に可愛がられて学校に行って大人になり、しっかり今だって生きている。
世間や自分のような若者に笑われようと、日替わりでの仕事場で必死になって仕事している。
実は先程書いたおじさん達の仕事ぶりは見事だった。誰一人「手を抜く」事をしていなかった。
しかし、「その精神」こそが彼らを派遣バイトに追いやってしまったのかもしれない。
つまり正義感が強すぎた方々なのかもしれない。(地主の息子は違うか)
世間では、コネや上手く逃げる術や周りを蹴落としてでも上を目指す人がいる。
それを悪く言うつもりはない。
それを上手くやるのも大変な事だから。
彼らは、どこかで、もしかしたら自分以外のせいで、道を踏みはずしただけなのだろう。
私は今そう思う。
20ちょいの私に、みんな笑顔で接してくれた。
「こんな人生歩むなよ」
「俺みたいになるなよ」
当時の私はそのまま受け取り、心の中で「そんな人生歩みません」と。
しかし今は違う。
彼らは彼らのイバラの道を歩いているだけ。
今はイバラなだけ。
きっと彼らがいい人生と思える道があるはずだ。
今は彼らにそんな思いがある。
あの歯がないおじさんの笑顔にありがとうを言いたい。